日々のカクテル草子 池袋バーテンダーの妄想日誌 5

ふと外を歩く。

綺麗な桜が咲き、風が心地よい、太陽の光は爛々と僕に光を向けてくる、世界が僕を歓迎しているみたいだ。

そう感じた。

変わったことは街から人がいなくなった

ただそれだけだったが

自分のやれることは特に増えることもない

そう思い桜道をゆったりと歩いた。

この世から嗅覚が消えた。

とんでもないニュースが宣誓された

元々はどこかのウィルス兵器だったとか、動物が本来持っていたウィルスが接触感染によってヒトからヒトへ感染するようになったとか、正直言って自分に全く関係のないことだけが延々と流れる。

また一人、また一人と嗅覚をなくす。

自分の仕事はバーテンダーだ。

酒を作り、人と話し、楽しい思い出を作ること。

嗅覚が失われることとは

あのひ嗅いだ炙ったシナモンスティックの匂い

恋人と来た時背伸びをして飲んでみた、スコッチウィスキーのあのピートの香りも

タバコをふかしながら飲むジン・トニックも

全てが消えることと同義な気がした。

小さい頃、実家が田舎だったので祖父母の家に泊まりにいくと

みんなで畳の上に寝転んで昼寝したものだった。

あのい草の匂いももう消える

味覚も失われていくのだろう

嗅覚が消える

思い出が消える

もう思い出せなくなることが当たり前になるのだろう

今しかないのだろう

もう思い出はきっと。

そう思いながら、道に植えられている桜の匂いを改めて嗅ぐ

もうじき自分にもくるウィルスに思いを馳せる。

一体いつ失われるのか、世界が恐怖で打ちのめされている。

見えざる不安とは人の心を脆弱にする。

何かにすがりたくなる。

だけどどうだろうか

この世界は美しい。

花も木も海も

バーカウンターに並べられているお酒たち

この子たちは”何も変わらない”

変わっていくのは自分たちだけなのだろう

それならば受け入れよう。

無くすことを。

一人きりのバーで音楽をかける

今日はどんな音楽にしようか。

こんな日だからこそ、こんな世界だからこそ、

笑って過ごそう。人生は喜劇なんだから。

チャップリンのスマイルをかけながら

JAMESONとコーヒーリキュールを

銅のマグに静かに入れる。音楽と香りを楽しみたいんだ。

バーナーでゆっくりと炙る。

この香りを感じると思い出す、かつての相棒にも思いを馳せながら特別な一杯を作ろう。

火のついたままお酒を別の手のマグに注ぐように移し替える。

この匂いを直で味わえるのはバーテンダーの特権だ。

誰にも邪魔させない。

出来上がったお酒とコーヒを混ぜて

上に冷たい生クリームを層になるようにのせる。

YOU just SMILE….

歌詞が響き渡る

この一杯に重いを馳せ

香る。飲む。

チャップリンのスマイルが終わると同時に

自分の思い出は消えていた。

FIREFALL COFFEE

思い出のカクテル

About "COLORSOL"

最高のひと時を、最高のフレアショーで

一流フレアバーテンダーによるダイナミックなパフォーマンスショーと美味しい料理・カクテルで最高のひと時をお約束します。



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